God bless you!~第7話「そのプリンと、チョコレート」・・・会長選挙
「きゃあ~。もふもふぅ~」
「むぅ~、触りた~い!」
「はぁはぁしちゃうよぉ~!」
2年フロア。
女子の黄色い声を浴びながら、永田は満面の笑みで廊下を練り歩いた。
その右手には、チワワ。
また左手には、コーギー。
「赤いリードに繋がってんのは、ユエん家のトイカップ・プードルだよ」
聞いてもいないのに、藤谷に教えられた。
ペットを連れて現れた永田に、女子が飛び付き、群がり、当然と言うか、永田にではなく3匹のイヌの方に引き寄せられている。
ランチタイムだった事もあって、女子はもうそこら辺から飛び出しては、唐揚げやら卵焼きやらをイヌに与えて大喜びだった。
「俺にもよこせッ!」と、誰かのウインナーを横取りして主役自体はブーイングを浴びるものの、それでも練り歩くうち、どんどん人数を増やして行く。
その結果、永田応援団は大盛況。大量の女子に囲まれての、大パレードとなった。「ありゃ何だ?」と、どこを歩いても注目の的。
そして、たくさんの女子に囲まれて、永田自身が大喜びである。
「すげー!チビ太郎、すげー!ぴょぉぉぉぉぉー!」
見れば、黒川は右川と並んで、愉快愉快♪と見物だ。入れ知恵は、これか。
右川なんかに尻尾を振るとは……おまえらまとめてイヌだ。
その様子を遠巻きに眺めていた重森は、「何やってんだ」と、悔しそうにチッと舌打ちすると、
「どいつもこいつもクソばっか。まともに選挙戦やろうってヤツは居ねーのかよ」
汚い取引で俺を引きこもうとした己れをすっかり棚に上げた物言いである。
「なー、右川ぁ。沢村をブッ潰す方法。何か、ないかな?」
黒川のヤツ、聞えよがしで来たか。
「そんなの簡単だよ。ブラザーK♪」
右川は、俺の目の前にやってきた。これ見よがし、挑戦的な態度で、でーんと仁王立ちになる。
〝近寄るな〟ではなかったか。
ここは、いつかの水場ではない。何の変哲もない2年フロアの廊下である。
だがそこに、あの時と同じような磁場の揺らぎを感じた。
「むぅ~、触りた~い!」
「はぁはぁしちゃうよぉ~!」
2年フロア。
女子の黄色い声を浴びながら、永田は満面の笑みで廊下を練り歩いた。
その右手には、チワワ。
また左手には、コーギー。
「赤いリードに繋がってんのは、ユエん家のトイカップ・プードルだよ」
聞いてもいないのに、藤谷に教えられた。
ペットを連れて現れた永田に、女子が飛び付き、群がり、当然と言うか、永田にではなく3匹のイヌの方に引き寄せられている。
ランチタイムだった事もあって、女子はもうそこら辺から飛び出しては、唐揚げやら卵焼きやらをイヌに与えて大喜びだった。
「俺にもよこせッ!」と、誰かのウインナーを横取りして主役自体はブーイングを浴びるものの、それでも練り歩くうち、どんどん人数を増やして行く。
その結果、永田応援団は大盛況。大量の女子に囲まれての、大パレードとなった。「ありゃ何だ?」と、どこを歩いても注目の的。
そして、たくさんの女子に囲まれて、永田自身が大喜びである。
「すげー!チビ太郎、すげー!ぴょぉぉぉぉぉー!」
見れば、黒川は右川と並んで、愉快愉快♪と見物だ。入れ知恵は、これか。
右川なんかに尻尾を振るとは……おまえらまとめてイヌだ。
その様子を遠巻きに眺めていた重森は、「何やってんだ」と、悔しそうにチッと舌打ちすると、
「どいつもこいつもクソばっか。まともに選挙戦やろうってヤツは居ねーのかよ」
汚い取引で俺を引きこもうとした己れをすっかり棚に上げた物言いである。
「なー、右川ぁ。沢村をブッ潰す方法。何か、ないかな?」
黒川のヤツ、聞えよがしで来たか。
「そんなの簡単だよ。ブラザーK♪」
右川は、俺の目の前にやってきた。これ見よがし、挑戦的な態度で、でーんと仁王立ちになる。
〝近寄るな〟ではなかったか。
ここは、いつかの水場ではない。何の変哲もない2年フロアの廊下である。
だがそこに、あの時と同じような磁場の揺らぎを感じた。