God bless you!~第7話「そのプリンと、チョコレート」・・・会長選挙
右川カズミと、桂木ミノリ。
このまま大人しく待っているのも癪に障ると、予定には無かったが、バレー部に顔を出した。
後輩の石原に、「ノリは?」と尋ねると、「熱っぽいとかで早退です」
……ウソだ。
どいつもこいつも。
部室を出て、水場に差し掛かった。
そこに、これみよがしに(?)桂木が現れる。
「どこに居たの?探しちゃったじゃん。てゆうか、顔色悪いよ」
いつも何度も水場は禄でもない事しか起きない。だから表情は自動的に曇る。
「ハイ、これ」と、コピー元を返された。
「言い回しとか、一応、チェックしてみたんだけど。あたしのあれさ、使いたい所なんでもパクっていいからね」
そう言って笑う。そして、立ち去らない。
「まだ何か」
ワザと素っ気なく言ってみた。さっきの様子が、どうしても頭を離れない。
桂木は、まるで俺に隠れるようにコソコソと。
こっちは気が収まらないというのに、右川にスリ寄って、もうニコニコと。
「あ、この書類、今日までだってさ」
何やら紙を寄越した。
「ここに署名して」
ペンも一緒に渡されて、脇の縁石に腰掛けて書き始める。
桂木は俺の隣に腰掛けると、そんな様子をジッと眺めて、
「へえー、そういう字書くんだ」
「ヘン?」
「小学生みたいだね」
悪かったな。「いつもパソコンだし」と少々、言い訳がましくなる。
そういえば俺のパソコン、今頃どう使われているんだか。
売ったらタダじゃ置かない。
「あのさ」
急に、桂木が改まったと思ったら、
「沢村って色々やってるじゃん?で、色々行ったり来たりじゃん?クラスも違うから、すぐって時に居てくれないと困る時あるんだけど」
「あーごめん」
どこか突き離した、トゲのある謝罪だ。
桂木は気付いているのか、いないのか、特に気にならない様子である。
それが癪に障る。
「お願いなんだけど。念のためライン交換しない?」
そう言えば、教えていなかった。ていうか桂木の事だから、他の誰かから聞いてとっくに絡んでいると思い込んでいた。少し考えて、「いいよ」と教える。
桂木は、スマホを慣れた手つきで操りながら、
「あのさ、1つお願いがあるんだけど」
「てゆうか、お願いそれで2つめ」
それも少々、突き離したものの言い方で。
桂木はスマホから目線を寄越して、「ホントだ」と、クッと笑う。
こう言う時、思うのだ。
こっちが思うほど、相手は居心地の悪さも罪悪感も、感じていない。
桂木は、そこでスマホを閉じて、
「あのさ。もう確実に沢村が会長だと思うんだよね」
「そうかな」
「そうだよ。そうに決まってる」
その目には一点の曇りも無かった。
「でね、当選したら……そしたら、あたしを生徒会3役に入れて欲しいんだけど。ダメかな?」
来た。
これは悪魔の誘惑だ。裏で何かが動いている。
桂木に対してを言えば、それを1番、恐れていた。
チビと仲良しという問題とは次元が違う。ここは避けて通れない。
俺は3秒、息を吸い込んだ。
「率直に言うけど、バスケの誰と繋がって、一体何を狙ってんだ」
一瞬の間の後、桂木は3秒掛けて、ふうーと長い溜め息をつく。
「ガチで来たか。いつか、そうくると思ってた。沢村って、ずっと、どっかあたしに疑わしぽかったもんね」
やっぱり気付いていたか。
このまま大人しく待っているのも癪に障ると、予定には無かったが、バレー部に顔を出した。
後輩の石原に、「ノリは?」と尋ねると、「熱っぽいとかで早退です」
……ウソだ。
どいつもこいつも。
部室を出て、水場に差し掛かった。
そこに、これみよがしに(?)桂木が現れる。
「どこに居たの?探しちゃったじゃん。てゆうか、顔色悪いよ」
いつも何度も水場は禄でもない事しか起きない。だから表情は自動的に曇る。
「ハイ、これ」と、コピー元を返された。
「言い回しとか、一応、チェックしてみたんだけど。あたしのあれさ、使いたい所なんでもパクっていいからね」
そう言って笑う。そして、立ち去らない。
「まだ何か」
ワザと素っ気なく言ってみた。さっきの様子が、どうしても頭を離れない。
桂木は、まるで俺に隠れるようにコソコソと。
こっちは気が収まらないというのに、右川にスリ寄って、もうニコニコと。
「あ、この書類、今日までだってさ」
何やら紙を寄越した。
「ここに署名して」
ペンも一緒に渡されて、脇の縁石に腰掛けて書き始める。
桂木は俺の隣に腰掛けると、そんな様子をジッと眺めて、
「へえー、そういう字書くんだ」
「ヘン?」
「小学生みたいだね」
悪かったな。「いつもパソコンだし」と少々、言い訳がましくなる。
そういえば俺のパソコン、今頃どう使われているんだか。
売ったらタダじゃ置かない。
「あのさ」
急に、桂木が改まったと思ったら、
「沢村って色々やってるじゃん?で、色々行ったり来たりじゃん?クラスも違うから、すぐって時に居てくれないと困る時あるんだけど」
「あーごめん」
どこか突き離した、トゲのある謝罪だ。
桂木は気付いているのか、いないのか、特に気にならない様子である。
それが癪に障る。
「お願いなんだけど。念のためライン交換しない?」
そう言えば、教えていなかった。ていうか桂木の事だから、他の誰かから聞いてとっくに絡んでいると思い込んでいた。少し考えて、「いいよ」と教える。
桂木は、スマホを慣れた手つきで操りながら、
「あのさ、1つお願いがあるんだけど」
「てゆうか、お願いそれで2つめ」
それも少々、突き離したものの言い方で。
桂木はスマホから目線を寄越して、「ホントだ」と、クッと笑う。
こう言う時、思うのだ。
こっちが思うほど、相手は居心地の悪さも罪悪感も、感じていない。
桂木は、そこでスマホを閉じて、
「あのさ。もう確実に沢村が会長だと思うんだよね」
「そうかな」
「そうだよ。そうに決まってる」
その目には一点の曇りも無かった。
「でね、当選したら……そしたら、あたしを生徒会3役に入れて欲しいんだけど。ダメかな?」
来た。
これは悪魔の誘惑だ。裏で何かが動いている。
桂木に対してを言えば、それを1番、恐れていた。
チビと仲良しという問題とは次元が違う。ここは避けて通れない。
俺は3秒、息を吸い込んだ。
「率直に言うけど、バスケの誰と繋がって、一体何を狙ってんだ」
一瞬の間の後、桂木は3秒掛けて、ふうーと長い溜め息をつく。
「ガチで来たか。いつか、そうくると思ってた。沢村って、ずっと、どっかあたしに疑わしぽかったもんね」
やっぱり気付いていたか。