God bless you!~第7話「そのプリンと、チョコレート」・・・会長選挙
〝選挙活動を通じて、沢村と桂木はめでたく、まとまったゾ〟
オメデト!黒川が手を叩き始めると、それに煽られるように、周りもパチパチと囃し立てた。
オメデトウ。オメデトウ。
正直またかよ、という感じ。
「いい加減。選挙は終わり。そんな訳無いって」
「でもあたし、ミノリ様から直接聞いたよ」
いきなり後ろ頭をブン殴られる、とはこういう事だ。
桂木から直接?誰かが勝手に流した噂ではないのか。
今日は剣道部に追い立てられ、体育館の片隅でドリブルを繰り出すバスケ部を視界に留めた。
桂木と目が合う。
向こうはすぐに逸らした。
うしろめたい証拠だ。何か知っている。
向かおうとすると、そこに、壁のようにノリが現れた。
能面のような無表情で、
「僕は、もう知らない。本当に知らない。桂木さんでも右川さんでも阿木さんでも、洋士の好きなように遊んでればいい。僕の知らない所でドンドン楽しくやってよ。どうせ僕なんか居ても居なくても!」
そう叫んで、向こうに駆け出して、行ってしまった。
いや、待てそれは……(俺の台詞だろ)。
ノリは、さておき。(正確には、大変な後始末になるのは覚悟で)、周囲の見守る中、剣道部の掛け声に煽られるように、桂木に近づいた。
直球。
「どういう事」
そんな事にはなっていないのに、どうして。
バスケ部メンバーからは、次々とスポーツタオルを投げられて、「来た来た来たぁ~!」「ひょう~」「ひゅうー」「ピュー」「ちゅるぱやぁ♪」そこら中から冷やかされる。
思ったよりも静かだと思ったら、永田が居ない。コレ幸い。
もう1度、言う。
「どういう事」
桂木は、何も言わず、周りが冷やかすのをそのままに俯いていたが、やがて、ゆっくりと顔を上げ、「ちょっと来て」と、俺を引いて、連れ出した。
「いやっほ~ィ!」
「みのりん、今日フケちゃっていいよ~、頑張れ~」
「一晩中、がんばれ~。アタリマエ~」
ひょう。
ピュー。
向かい風に煽られるように、体操服の薄着のまま、2人で外に出た。
体育館を出たすぐそこ、柔道部が団体で通りがかって、「ひょう~」「ピュー」
それを避けてさらにその先、裏門までやってきたけど、ここは……確かに、この時間、この場所に、たまたま通りがかるような輩は居ない。
タバコ、ケンカ、シメる、そういう類の、うしろめたい輩は別として。
陰気な空気を無視すれば、内緒話には、うってつけだ。
北向きに開く裏門は、寒さと不安を漂わせて、今日も半開きである。
「ごめん!」
桂木は、いきなり謝った。
「いや、怒ってないけど」(まだ)
オメデト!黒川が手を叩き始めると、それに煽られるように、周りもパチパチと囃し立てた。
オメデトウ。オメデトウ。
正直またかよ、という感じ。
「いい加減。選挙は終わり。そんな訳無いって」
「でもあたし、ミノリ様から直接聞いたよ」
いきなり後ろ頭をブン殴られる、とはこういう事だ。
桂木から直接?誰かが勝手に流した噂ではないのか。
今日は剣道部に追い立てられ、体育館の片隅でドリブルを繰り出すバスケ部を視界に留めた。
桂木と目が合う。
向こうはすぐに逸らした。
うしろめたい証拠だ。何か知っている。
向かおうとすると、そこに、壁のようにノリが現れた。
能面のような無表情で、
「僕は、もう知らない。本当に知らない。桂木さんでも右川さんでも阿木さんでも、洋士の好きなように遊んでればいい。僕の知らない所でドンドン楽しくやってよ。どうせ僕なんか居ても居なくても!」
そう叫んで、向こうに駆け出して、行ってしまった。
いや、待てそれは……(俺の台詞だろ)。
ノリは、さておき。(正確には、大変な後始末になるのは覚悟で)、周囲の見守る中、剣道部の掛け声に煽られるように、桂木に近づいた。
直球。
「どういう事」
そんな事にはなっていないのに、どうして。
バスケ部メンバーからは、次々とスポーツタオルを投げられて、「来た来た来たぁ~!」「ひょう~」「ひゅうー」「ピュー」「ちゅるぱやぁ♪」そこら中から冷やかされる。
思ったよりも静かだと思ったら、永田が居ない。コレ幸い。
もう1度、言う。
「どういう事」
桂木は、何も言わず、周りが冷やかすのをそのままに俯いていたが、やがて、ゆっくりと顔を上げ、「ちょっと来て」と、俺を引いて、連れ出した。
「いやっほ~ィ!」
「みのりん、今日フケちゃっていいよ~、頑張れ~」
「一晩中、がんばれ~。アタリマエ~」
ひょう。
ピュー。
向かい風に煽られるように、体操服の薄着のまま、2人で外に出た。
体育館を出たすぐそこ、柔道部が団体で通りがかって、「ひょう~」「ピュー」
それを避けてさらにその先、裏門までやってきたけど、ここは……確かに、この時間、この場所に、たまたま通りがかるような輩は居ない。
タバコ、ケンカ、シメる、そういう類の、うしろめたい輩は別として。
陰気な空気を無視すれば、内緒話には、うってつけだ。
北向きに開く裏門は、寒さと不安を漂わせて、今日も半開きである。
「ごめん!」
桂木は、いきなり謝った。
「いや、怒ってないけど」(まだ)