3人の王子様に捕まっちゃいました!?
「あ、あの人。
昨日言った、イケメン達の中の1人!」
岡部さんが見つけ出したように教室の外を指さした。
話を逸らしたようにも見えたけど...?
イケメンの1人...って、淡那君以外にもいるんだよね?
淡那君含めて2人かぁ...
2人も居れば十分だよね。この学校、恵まれすぎだよ。
私が指の方を見ると...
「え、ええ?あの人?」
そこには...言っちゃ悪いけど、おデブで汗を常にかいている人が...。
「あっ、違う違う!
その後ろの人っ!」
苦笑しながら言う岡部さん。
よーく目を凝らして見てみると、おデブさんの頭に隠れた人がいた。
「えっ?見えない〜」
「あ、こっち来たよ!」
そう言った岡部さんが指さす人は、何気なくこちらへ来た様子。
その人は、私達の目の前を通り過ぎて行った。
「わ、わぁ...」
こんな声が出るのも無理はない。
だって...
「か、かっこいい...ね」
思わず口に出てしまうほどのイケメンさん。
黒いくてもサラサラな髪に、漆黒の様な目。
無表情で、冷静さが漂っている。
でも.
「幾斗〜!」
岡部さんが、窓から身を乗り出して その人物に手を振った。
「...なに...?」
その無表情なイケメンさんが、こちらに足を進める。
うわぁ...足長っ!
ポケットに入れた手も、長くて...。
スタイルも良いなぁ...。
周りの女の子、きゃーきゃー言ってるよ。