3人の王子様に捕まっちゃいました!?




「んで?俺はなんて呼べばいい?」



制服のポケットに手を入れたまま、私に、問いかける金谷君。





「飯倉さん、だよ!」



私が答える前に、岡部さんが横から勢いよく言った。





「え?え?」



私が不思議そうな顔をすると、岡部さんが おずおずと口を開いた。





「わ、私だって...名字呼び...だもの。」



また照れ笑いしながら言った岡部さんに、私はまたまたキュン...!



可愛いなぁ...。





「あんず...でいい、よ?」



俯いている岡部さんのブレザーをちょいちょいとする。



すると、岡部さんの顔がパァァっとなった。



「じゃあ、私は 菜々花って呼んで?」





「う、うんっ!」




名前呼び...!


親友...みたい。嬉しいよ...!




「...2人だけの、世界にならないでくんない?」




その時、蚊帳の外にしてしまっていた金谷君が、私達に言った。




ぷっと菜々花ちゃんと吹いてしまう。




「...あーも。」



くしゃくしゃっと頭をかいた金谷君は、またポケットに、手を入れた。






「俺は幾斗。

じゃあな、あんず」




そう言って、金谷君...ううん。幾斗君は、廊下を歩いて行った。



「う、うんっ!」



張り切ってしまって、声のトーンがおかしくなる。




「やったね。友達2人目♪」




その時、菜々花ちゃんが両手を私に向けて ニコッとした。




「うん!」


私はその手に自分の両手を合わせる。



学校って...楽しいなぁ。





すっごくドキドキして。



すっごくワクワクして。


楽しい事ばっかり。




もっともっと友達増やして。



もっともっと楽しい学校生活にするんだ。

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