3人の王子様に捕まっちゃいました!?
「...あ!あんちゃん♪」
...げっ。
叫び声の張本人が私に気づいて こっちに歩いてきた。
バッと淡那君から視線をはずす。
淡那君に近づくと、周りの女子の目線が痛いんだもん。
そもそも、あんちゃんって何?
「...あんちゃん?」
後ろから声がするも、見ない見ない!
「あーんちゃん!」
甘い声で言われたって...流されないもんね。
ツン...
「ひゃあ!?」
突然、背中に感じた違和感に、変な声が出てしまう。
驚きながらも後ろを向くと、ふふっと笑う淡那君。
私の背筋をなぞったらしい。
「ふっ、可愛い♡」
甘い声で囁かれる事には慣れない。
ボッと発火してしまう私の全身。
菜々花ちゃん...ニヤニヤしてないで助けてよ。
「...あんちゃんって いじりがい、あるよね」
ニヤっとする淡那君に、寒気がしてしまう。
「あ、あんちゃんって何!?」
咄嗟に出たのは そんなくだらない質問。
私、何言ってるの...!?
すると、淡那君は周りの目を気にせず、私の頬をなぞり始めた。
ピクってしてしまう自分に、コントロールがきかない。
そして目を閉じてしまった。
「...小さくて、ふにふにで...」
私の頬をなぞる右手は、やがて私の唇に触れた。
「こうやって触ったら...
全身 ピンクに染めて」
...言葉と手で、淡那君に夢中にさせる この中毒。
周りの目なんて...気にできないよ。
「...かわいいから...あんちゃん」
...不純だよ。そんな理由。
淡那君に言われると、自惚れてしまう。
いやな自分が出ちゃうよ。