3人の王子様に捕まっちゃいました!?
「わ、私は...。
かわいくないもん!」
「あ、杏!?」
大きな声を出し、驚いた淡那君と菜々花ちゃんを振り切って教室を出る。
って私!走れないんだった!
床にはぴったりつけるも、足を交互に素早く動かす。
「...は、はぁ...」
早歩き。早歩き。
でも...このままじゃ、淡那君に追いつかれちゃうよ...。
誰もいない廊下でまこうとして、角を曲がる。
「あんちゃん!」
「!!!!!!!」
急にパシッと掴まれた手を持つのは、予想通り淡那君。
今、顔を見られたら...大変、だよ...。
見ないで。
全身が...熱い。
片腕で顔を隠すも、顔が赤いのは淡那君にバレバレ...だよね。
「〜〜ッ...。
あんちゃん...」
余裕のなさそうな声に、目線を上げる。
私と同じくらい...顔が赤くなっている淡那君。
なんで?なんで、淡那君が顔を赤くしてるの?
「...好き、だよ?」
その言葉一つで、キュゥゥンってしてしまう私の胸。
「...はぁ、はぁ...」
吐息一つ。するのに恥ずかしくて気をつかう。
発作が起きてもいいほど、どくどくしている心臓。
ぎゅって捕まれたような この鼓動は...なに?