3人の王子様に捕まっちゃいました!?
「う〜ん遊んだ遊んだっ!
晴、楽しかったでしょ?」
菜々花ちゃんが伸びをしながら晴君に ニヤニヤする。
「まぁ...つまらなくはなかった」
素直じゃない晴君は、菜々花ちゃんに吐き捨てる。
その2人を後ろから見る幾斗君は、呆れ顔をしながら、小さい頃からあんな感じなんだよ と私に言ってきた。
小さい頃の2人かぁ〜 争うくらい可愛いんだろうな...。
晴君は男の子だけど。
「あんちゃんは?
楽しかった?」
淡那君の言葉に、私は強く うんっ!と言った。
よかった。
そう返事するように、淡那君は微笑む。
「でもさぁ〜。
俺は楽しくなかったんだけど?」
あーあ...と言うように、淡那君はボヤつく。
「え〜!うそぉ〜」
私だけ楽しんじゃった!?
確かに...淡那君はアウトドアっていうより、インドアって言うイメージがあるかも。
「これから、楽しませて?」
ニコっとした淡那君は、突然 私の腕をとって、出口とは反対方向へ早歩きを始めた。
「えっ、淡那君!?」
「しーっ」
口に人差し指を当てて、私に微笑む淡那君。
もう、真っ暗なのに。
帰らなきゃなのに。
拒めないのは、君に捕まったせい。