3人の王子様に捕まっちゃいました!?
甘々な王子様の一面 Side杏
ズキンズキン...
昨日、大我君の前で倒れてからの記憶はない。
気づいたら、自分の部屋の布団に横になっていて。
お母さんが頑張って運んでくれたらしい。
「杏、今日一日は学校、お休みしようね?」
部屋の外から聞こえるお母さんの声に、私は うん、と言った。
「はぁぁ...」
休んでよかったかも。
体は元気だけど、心が痛い。
大我君への気持ちに気づけた瞬間、その気持ちは伝える間もなく死んでしまった。
生まれてはいけなかった感情。
伝えるのは無意味だった感情。
「好き、だったのになぁ」
ううん。
好き。
でも、過去形にしないと。
私は あなたと顔を合わせられない。