野獣の食事
あらかた店内の片付けも終わった。

飛び散った破片、壊れた机、残骸は全て綺麗にマスターが片付けた。

これだけされたのに、なぜかマスターはニコニコ顔だ。

身ぐるみ剥がされた男の財布の中に、壊れた物の弁償代以上のお金が入っていたからだろう。

「もーかった、もーかった。」

ニコニコしながら呟くマスター。

身ぐるみ剥がされた男はと言うと、ようやく気絶から復活したが、縛られている為に、動けない。

亀甲縛りでブザマな恰好の男は、悲しみに浸りながら涙を流す。

晃はというと、撮影会に満足して、笑いながら酒を飲んでいる。

「ところで弘よー、暴れたら女とやりたくなってきたなー。ナンパに行こうぜ!」

バーで暴れて、今度はベッドで暴れるつもりだ。

「………。」

無言でグラスを手に、タバコをふかす弘。

今夜も二人の日常の夜が過ぎていく…。
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