野獣の食事
5分程殴っただろうか。

…もういいだろう

息を切らしながら、男から離れる晃。

男はすでに戦意喪失していて、助けを乞うような目で晃を見ている。

「…ゲホッ!…あなたは…一体誰だ……ですか?」

唇から血を流し、目からは涙を流し、男が質問する。

「オレの名前なんかどうでもいい!」

男が脅えた顔で目をそらす。

「…まー、オレのことを呼びたいなら、…絶世の美男子、世界の女の憧れの的…と呼べ。」

…どう反応すれば良いか困る男。

ここは笑うべき箇所なのか、本気なのか…

とりあえず晃の真面目な目を見て、笑うべき箇所ではないと判断したようだ。

「…その…絶世の美男子さんが…なんで…こんな…」

晃の右パンチが男の顔にクリーンヒット!

「…なっ…なんで…」

悲しそうな目つきで晃を見る。

晃は、乱れた服装を直しながら、クールに答えた。
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