野獣の食事
野獣の親友

親友 【弘】

グラスの中にブランディ。

グラスの中の氷が、ブランディに溶けこみ、アルコールの強さを緩和してくれる。

カラン、コロン

グラスを手に持ち、ゆっくりと掻き交ぜながら、酒を飲める喜びを噛み締める。

とあるバーの中、ロックでゆっくりと、氷が溶け込むのを待ちながら、タバコに火を点けた。

「お待たせー!」

タバコに火を点けたのと同時だった。

男の横に、いかにも慌ただしく、今まで走ってきたと見える晃が座った。
「いやー、女が離してくれなくてよー。ふざけた女だったから、たった今ぶん殴ってここにきたぜー。あんな女は最悪やなー!」

ニコヤカに、少しも悪びれた様子もなく晃が話し始めた。

晃は、男がブランディを飲むのを確認すると、カウンター越しに、同じものを注文する。

「やってみるとあの女、たいしたことはなかったぜー。」

晃の話しを聞きながら、男は呆れた視線で見つめていた。
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