野獣の食事
…ちくしょう!

晃はそう呟き、目を反らそうとした瞬間。

その女の子は、ゴソゴソと袋を取り出した。

「足らない…もっと…もっと…。」

縋るような声で、袋から変なカプセルを摘みだし、それを口にくわえ飲み込んだ。

凄まじい程に幸福そうな顔をする女の子。

小刻みに身体を揺らし、震えた手は空中に向けて、何かを掴もうとしている。

…まさか!

晃の顔付きが変わってきた。

まさか!!

真剣な眼差しでその木陰から目をそらし、他の女の子達を見る。

先程まで沢山いた女の子達が、殆どいなくなっていた。

公園のあちらこちらから、色んな女の子達のなんとも言えない声が聞こえてくる。

走りだした晃は、声がするほうを次々と覗きだした。

一様に女の子達が、カプセルを口にくわえ、身を震わせながら飲み込む。

…なんていうことだ…

…クスリか!!
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