snow vallentain
☆☆☆
いつものように社長のバッグを小脇に抱え一礼すると、
「お車の手配できました。」と伝えた。
「ありがとう。」
社長は、ゆっくりとソファーから立ち上がり上着を羽織る。
私は大手化学会社社長付の秘書だ。
長い廊下を進んだ先にあるエレベーターに社長と二人で乗り込む。
10階から1階までの間に・・・。
あらかじめ自分のポケットに忍ばせておいたチョコをそっと取り出した。
「社長。こんな場所で大変不躾ですが。」
震える胸を必死に押さえながら手渡した。
「ん?これは?」
社長はチョコの入った小さな包みを不思議そうに眺める。
「今日は2月14日です。」
「ああ、バレンタインか。」
社長はしばらく考えてから私の目をまっすぐに見つめた。
「これは社交辞令か?それとも、君の意思か?」
ずっと内に秘めてきた思い。
秘書が社長に恋するなんて御法度だ。
「・・・社交辞令です。」
うつむいたまま小さな声で答えた。
「申し訳ないが、君の社交辞令ならもらえない。」
「え?」
社長の横顔がいつもよりも険しい。
「お車の手配できました。」と伝えた。
「ありがとう。」
社長は、ゆっくりとソファーから立ち上がり上着を羽織る。
私は大手化学会社社長付の秘書だ。
長い廊下を進んだ先にあるエレベーターに社長と二人で乗り込む。
10階から1階までの間に・・・。
あらかじめ自分のポケットに忍ばせておいたチョコをそっと取り出した。
「社長。こんな場所で大変不躾ですが。」
震える胸を必死に押さえながら手渡した。
「ん?これは?」
社長はチョコの入った小さな包みを不思議そうに眺める。
「今日は2月14日です。」
「ああ、バレンタインか。」
社長はしばらく考えてから私の目をまっすぐに見つめた。
「これは社交辞令か?それとも、君の意思か?」
ずっと内に秘めてきた思い。
秘書が社長に恋するなんて御法度だ。
「・・・社交辞令です。」
うつむいたまま小さな声で答えた。
「申し訳ないが、君の社交辞令ならもらえない。」
「え?」
社長の横顔がいつもよりも険しい。
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