深緑のルルーシュ
ここに住む伯爵様の噂は常々伺ってる。


現にこの街に住んでいた人々が多額の重税に悩み、私が住む村に越してくること度々。


ダードンのじいさんの一家だってその類だ。


何年か前に、夜逃げして来たらしい。


最果ては、国の干渉を受けづらいから、こうやって身寄りのないアダムや、スカーレットと言った孤児らが自らの存在を主張するかの如く悪さするのだ。



税金の問題は、本来国の管轄。



ここまで肥やしているのに、この伯爵様に疑いの目を向けないのは、何か裏があるに違いない。


きっと餓鬼等が、ここに忍び込んだのは、伯爵様を取っ捕まえて、悪行を暴く為なのだろう。



だが返り討ちに遭った。




伯爵様は、人間なはずなのに、どうしてあそこまで酷い怪我を...?



あれは紛れもなく、魔力が関わっている。




あんな傷、医者の私が見れば一目瞭然なのに。






不運な伯爵様よ、今日貴方の悪行を私が暴きましょう。





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