深緑のルルーシュ
正面玄関の前には、執事にしては矢鱈と図体のデカい男が二人。


両サイドの芝生には、番犬。




禍々しいオーラを放つ犬ころからは、殺意しか感じ取れない。

きっと調教されていて、指示が無い限り襲われる心配はないだろう。


まあ、あくまで正面から出向けばの話だが。






「こんばんは。伯爵様とお会いしたいのですが。」

「こんな夜更けに、何の用だね。」

「税金の件でご相談に...。」

「旦那様は、今食事中だ。終わるまで待てるか?」









案外騙しやすい馬鹿よ。


あっさり通された客間のソファーに腰掛ければ、扉の前を塞ぐ様に、また別の音がやって来た。


見張りか?その辺は用心している様だね。



流石に、黒マントで仮面を着けた素性の分からない奴って言うレッテルが貼られてるのか。


まあいいや、催眠術でこの男を眠らせてしまおう。







「...あの、少しよろしいですか?」

「あ?なんだ。」


手招きし、男がこちらにやって来る。


私は笑いを堪えながら、そっと掌に魔力を忍ばせた。


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