深緑のルルーシュ
透明人間と化した私は、扉をすり抜け廊下へと出た。



魔族お得意の、空中浮遊で足音を立てずに、男達に忍び寄る。




掌を身体の一部に触れれば、次々と男達が倒れていく。






六人目が倒れた後、出した条件は、



「...が...したら。」






さて、簡単な様で難しい条件をくだしたが、果たして素直に解除されるのかどうか。




妙に静かな屋敷内を散策すれば、漂う料理の匂い。




あれ、ここはキッチンか。



ってことは、この隣に伯爵様が居る可能性が大きい。














「おい、お前。ここで何してる。」





ーーーしまった!魔族が居たか。





背後から掛けられた言葉に振り返れば、無造作に伸ばされた真っ黒の髪の男が立って居た。



先ほどまでの黒服集団とは雰囲気が違う。



でも、黒髪なのに何故私の存在を見る事が出来て居るのだ?




「聞いてんのか?」


「見られてしまったからには、貴様にも眠ってもらう。」





懐から取り出した、枝木の様な杖を風を切り振れば、瞬時に男の手足を凍らせ、口を縫った様に開かなくしてやった。


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