君恋し、いつもそばにいるから
俺の心ん中は、意外といらやしい。
祐香を女として見てるから。
でも、祐香に嫌われたくない、だから親友の仮面被ってやってる。
下心ない男なんかそうそういない。
もしろ隙あらば……
その場の雰囲気……
つい、とか。
想像しない事が起こりうるのが男女だと思う。
中には親友として男女間の友情だってあるだろうけど、俺は不純だ。
「 祐香、目開けてると入るから 」
「 はいはい 」
「 じゃ切るぞ 」
祐香の唇が微笑む。
いつだって好きな女の唇はすぐそこにある。
キス… しようと思えば出来るのに、そう思うだけでバチが当たりそうだ。
「 春賀 」
「 動くな 」
「 聞いて、1回しか言わないから 」
「 何?」
…ん? 顔、赤くないか?
熱あったか?
俺は祐香の切る前髪を上げてシザーを持つ手を少し額に当ててみた。
熱はないな……
「 キスして、春賀 」
…え…… え、何…… は?
つい驚いて、一部の前髪をジャキッと切ってしまった。