君恋し、いつもそばにいるから
今、キスしてって言ったか?
いや、言ったよな……
俺の耳おかしいか?
熱はないし、なんでキス?
俺の感情駄々漏れしてたか?
は… 何がなんだか……
「 祐香、なぁ… 」
何も言わない祐香、1度しか言わないとは言っていたが、まさかキスしてとは……
キスは、あのキスか?
俺の見る先には祐香の唇がある。
“ キスして、春賀 ”
祐香の言葉が、俺の理性を飛ばしてしまう。
もう親友じゃなくなる。
俺が、キスしたら……
「 祐香…… 」
両手で愛おしい祐香の頬を包み、キスを。
触れて…
もう一度触れて……
祐香の唇が答えるように、受け入れていく。
祐香…… 好きだ。
「 春賀… 好きです 」
っ!?
なん、だよ……
なんだよコイツはっ!!
俺より先にそんな、言うなよ……
「 春賀、私のそばにいてね 」
「 はいはい 」
「 独り占め、させてね 」
あー、俺の紳士的理性を返せっ
俺はいつだって、そばにいるよ。
好きだから……
お前が、好きだからな。
「 春賀、なんか前髪が変?」
あっ!!
俺は謝りながら大丈夫だと切り直した。
いつ俺の思いが通じたか、いつ祐香は俺を男としてみていたか……
その辺はまた、いつか聞こう。
今は、祐香を…… 抱きしめたい。
_完_