君恋し、いつもそばにいるから
祐香の恋が破れた日、俺達は出会った。
ナンパしたわけでもなく、ただ隣で話してただけ。
俺は美容学校に行き卒業、今は姉貴の友達の店で働いてる。
祐香はあれ以来、俺を親友と思ってる。
静かに泣いてた祐香は、意外と活発でチャレンジ精神旺盛でがんばり屋。
俺は祐香に合わせて動くだけ。
そんな俺の中には親友と思われたくない気持ちがあったりする。
男として祐香の隣にいたい、そう思ってる。
俺だけの祐香にしたい。
その笑顔は俺だけが見れる特別がいい。
「 春賀!」
「 はいはい、次は何?」
「 髪、前髪切って、最近目にかかるの 」
「 切り方教えたろ、自分でやってみろ 」
「 やって、ね?」
こういうお願い事する時だけ……
女はとことんズルいな。
しょうがない、そう言って俺の自宅も兼ねてる店の二階に連れていく。
「 こら、俺より先に入るな 」
「 気にしないの~ 」
まったく、俺は男だっつの!
危機感くらい持てよ。
「 春賀、切って 」
切ってって……
切るよりキスしたいわ!
って、俺バカか。
キスって…… 何考えてんだ!