【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「…え、いとさ…、えいとさん、えいとさーん」
耳元をくすぐる彼女の声。
心地良くて、スッと手を差し出すと、きゅうっと握り替えされた。
「……んー…?」
「こんな所で眠っちゃだめですよ!」
「もーちょっと…こうしてて?」
「だめですってば。ベッドルーム行きましょう?」
「水美ってば、だいたーん」
「…じゃ、置いていきますよ?」
「やだー…」
ぎゅう
この腕の中にこうやってずっと、閉じ込めてしまえたらな…。
本当に、一人の人間にこれ程にまで執着が湧くなんて思いもしなかった…。
今までの俺は一体何だったのか…。
「じゃあ、寝ましょう?」
「水美…連れてって?」
ぐるり、と彼女の首に手を回して甘える。
そんな俺の腕を払い除ける事もせずに、彼女は俺の背中に手を這わせて、
「…瑛飛さんて、子供みたい」
なんて、笑ってくれた。
今までの自分なんか全部取っ払って、自然なままの俺でいられる。
無視するなんて…もう出来ない。
キミは自分で思っている以上に、魅力的だから…。