【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
仔猫の限界
好きだから、もう。
悲し過ぎる、過去は消したい。
貴方にこの複雑な想いを解き放って欲しい。
願いは多過ぎる程、この胸に押し寄せて…。
潰れてしまいそう。
だけど…。
どうしても、あと一歩が踏み進められないでいる。
彼を好きな気持ちは、一緒に過ごした金曜の夜から今までで、確実なものとなった。
数え切れないくらいのキスを交して、同じベッドで眠って…同じ空間で同じ物を食べて…。
あぁ、雪なんて…そんなハプニングさえなければ、気づかないフリをしていられたのに…。
そう、思って髪を弄ぶようにして指に絡ませると、彼は何を思ったかフッと微笑んだ。
そんな…会社とは違った、色んな顔を見せてくれる彼に退くどころか…もっと惹かれていく。
今だってベッドの端に足を組んで座り、洗いたてのシャツを着崩して、無造作に髪を流してる彼。
皇帝様は何をしていても、死角なしの色気だだ漏れ…。
そんな風に、ついこないだまでは、第三者的に見ていられたのに、今はそんな余裕なんて一つもない。