【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「瑛飛さんは、うそつきです」
また、敬語に戻ってしまったけれど、この際そんな事はどうでも良かった。
「水美、話は会ってから、ちゃんとしよう?」
「ずるいです」
「水美…なぁ…」
「ずるい、大人って…」
彼の声を聞いて、会話をし出したら…嫉妬している自分がとても可哀そうになってしまった。
震える声。
でも……。
「瑛飛さんのばか」
「うん」
「瑛飛さんのうそつき」
「うん」
「瑛飛さんの浮気者」
「うん」
「瑛飛さんなんか…」
「うん…」
私の言葉に小さく頷くだけの彼。
それがまた、癪に障った。
言いたい気持ちを形にする言葉が見つからなくなって、押し黙るとまるで掻き抱くような、必死な声が、返ってきた。
「水美が俺を嫌いでも、俺は水美の事を愛してる」
と…。