【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「瑛飛さんは、素敵な人ですよ?私なんか釣り合わないくらい…」
「なんでだ?お前程俺に見合う女はいない。それは絶対だ。俺が言うんだから間違いない」
「瑛飛さんは、私を買い被りなんですって」
気付けば、笑みが溢れていた。
私は、もうとっくに日の落ちた空を見上げて、星の数を数えながら彼に呟く。
小さく、小さく…背後を飛ぶジェット機の音で掻き消されて聞こえないくらい、小さな声で。
「でも、そんな瑛飛さんが…好き……」
そう囁いた次の瞬間…。
ぎゅうっ
後からいきなり誰かに抱き付かれて、身が固まる。
でも、それは身知った温もりで、更に…。
「やっと捕まえた…」
という、彼の声だったから、すぐに解かれた。
「…どうして?」
「何が?」
「なんで…」
「し、もう黙れって…」
「え、とさ…」
この短時間で、私を探し出せる訳がないと思っていたから、頭が現状に付いていかない。
ただ、繰り返される優しいキスに、まだ半分冷たかった心が解き放たれていく。