【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「いらっしゃいませー!2名様ですねー!奥の席にどうぞー」
「はーい。…よし!センパイ?覚悟して下さいね?」
「え?え?ちょっと待って。彩良ちゃん!話が全然見えないよ!」
「大丈夫!大丈夫!優しくしますから!」
て、私はどこかのおっさんか…。
そんな事を思いつつ席についてからオーダーをする。
私はフレッシュバジルとアボカドとエビのパスタ…の大盛り。
ダイエット?
そんなもん、関係ない。
これからの展開に向けて、体力保持の為のエネルギー摂取だっての。
センパイはカニとからすみの洋風パスタ…のSSサイズ。
そんなに少食だから、モデルばりな体型なんですって!
叫びそうになるのを堪えて、センパイへとニッコリ笑顔を作る。
その悪魔にも見て取れるだろう笑みに、センパイの顔がちょっとだけ引きつった。
「ねぇ、センパイ?」
「な、なに?」
「今から私が質問する事に正直に答えて下さいね?」
私の言葉に、何かを察したのか、センパイは小首をふるふると横に振ってきた。
でも、私はそんなのお構いなしだ。
「だめですって。ちゃんと答えてくれないと……」
「……と?」
「メンバーに言っちゃいますよ?」
「え?」
「補佐とセンパイがお付き合いしてる事」
…まぁ、みんな知ってんですけどね?
なのに、この鈍感センパイときたら…。
「ちょ?!待って待って待って?!な、なんで?」
「えー?見てればわかりますよぅ?」
センパイは、赤くなったり青くなったり忙しい。
この人は、本当に天然記念物並みに、純粋なのかしら?
それとも、計算…なわけないか。