【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「センパイは、分かりやすいですからね」
「そ、そうかな?」
「そうですよー?」
「や、でも、それは彩良ちゃんが敏いだけ…で…」
「いーえ。もう、なかなか素直にならないんだから」
オーダーしたパスタを目の前にして、私は紙ナプキンに包まったフォークをくるくると解いて、センパイの方に向き直る。
ちょっと、フォークでセンパイを指し気味で。
「付き合ってるんですよね?」
「え…?あ、……う、ん…」
「え?付き合ってないんですか?」
「えっ!ち、違う違う!その…付き合って、る…と思う」
「思うって………」
私はパスタを食べようとした口を、あんぐりと開けてしまった。
え?
この碁に及んで、何を言い淀むの…この人は?
自信があるようで無さ気なセンパイは、見ていてなんとなく危う気だった。