【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「さ。帰ろっかな」
「え?今夜は泊まってくんじゃないのか?」
「そんな約束なんてしてないでしょ?」
「なんか、今日は意地悪だな…。なんかあった?」
「別に、何も?」
付き合い始めてから、彼の背負っているものを徐々に知った。
例えば、ただの課長補佐兼広告塔をしているだけのはずの彼が持っているカードが、ブラックよりも光っていること。
それだけでも、ビビる要素であるのに…このデザイナーズマンションだって、きっと億ションに決まってる。
だって、図ったことはないけれど、ザッと見ても80平米以上はあるだろうこの3LDKのこの部屋は、1人で住むには少し…いや…かなり広過ぎる。
寝室と仕事部屋とリビングを差し引いても、あと一つ部屋は余るのだから…。