【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
女性の影、かぁ。
例えば、どんなタイプが好きなんだろう?
可愛い系?
美人系?
もっと細かく言えば、清楚なアイドル系…?
それともセクシーなグラビア系?
そう言われてみると、私は彼のそんな浮足立った話を耳にした事が無い。
もしかして…ゲイ?
そこに思考が辿り着いて、私は昔読んでいたBL系の雑誌の中味を思い出す。
わ、そしたらば…この場合、彼はどっちになってしまうのか…?
妄想は、一度広がると止まらない。
勿論バリバリの3次元の事だから、そういう際どい描写シーンまでは浮かばないけれど、知っている人…更にはそれが好きな人なら、尚更…考えてしまう。
あぁ。
もう…どうにかして、このモヤモヤ。
紙面に視線をやったまま、肩下で切りっ放しにした髪を無造作に耳に掛け直す。
…と、彼が私の顔を覗き込んできた。