【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「まだまだ、私如きが瑛飛さんの後任になることは、力が及ばないかもしれません。それでも私は、一時の感情だけで瑛飛さんの負担にはなりたくないですし…自分の力を摘むこともしたくないんです」
「それで水美はいいの?瑛飛のことは?」
レオが、少しだけ心配そうに…だけど好奇心に満ちた表情で聞いてくる。
「仕事と愛は、けして天秤に掛けるものじゃないですから…それに、離れていても愛は育めます。…そう信じてもいいですよね?」
もう一度真っ直ぐ彼を見据えた。
彼は何か眩しい物を見るような瞳で、私を見つめる。
「あぁ…俺は水美以外いらない。何度も言うけど…それは変わらないよ」
ぎゅ、添えられた手に力を込められた。
私は笑顔で、もう片方の手をその手に添える。
パチパチパチ…
何処からともなく、拍手が聞こえてきた。
そのきっかけはエリーサから。
「よく言った。水美。あんたの強さは本物だよ。瑛飛、お前さんも男なら水美の気持ちをしっかり組んでやるんだね」
にやりと微笑むと、エリーサは私の肩をぱしぱしと叩いて、
「あんたはいい女だよ」
と言ってくれた。