【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「噛み締めてた。水美から言葉で聞けるの…もしかしたらこれが最後かもしれないだろ?」
「何言ってるの?電話だってメールだって、何度でも言うし!」
「…でも、生声じゃないだろ?」
「…それは…そう、だけど…」
「だから…なぁ?順を踏まないと嫌だって言ってたけど…俺もそう思ってたけど…今、愛させて?水美の全部が知りたい。水美の全部が欲しい」
耳元に注がれる熱い息。
密着した彼の体が言葉通りに、私を欲してくれているのが分かった。
「…うん…」
「愛してる…」
ちゅ、ちゅ、と額にキスを落とされ、そのまま深いキスになだれ込んでいく。
彼の手は、まるで本当の魔法にように、私を包み込み切ないほどの愛をたっぷりと私の体に刻む。
その一つ一つが、愛しくて涙が溢れた。
「ん、瑛飛さん…」
「愛してる…何度言えば…水美は満たされる…?」
「…な、何度でも…言って?何度でも、欲しい…」
我儘なんて、嫌だった。
そんなことを言って、嫌われてしまうことが。
彼が離れていってしまうことが…嫌だった。
だって、こんな気持ち…今まで知らなかった。
こんな風に堕落していくことを、いけないことだと思ってた。
「…瑛飛さん…好き」
「愛してるって、言って?」
「愛してる…、凄く、愛してる…」
「…ありがとう」
そう言って、長めの前髪をくしゃりと掻き上げた彼は、ほんの少し泣きそうな顔をした後、私を心ごと愛し続けてくれた。