【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
そして、やってきた私の28歳の誕生日…。
課内のメンバーが、昇格と誕生日の祝いを一緒にしてくれて、大きな花束をもらって、少しだけ泣きそうになった。
14時間は有にある時差を乗り越えて、私と彼は約束通り毎日連絡を取り合っていた。
そして、少しだけ酔った私へと電話を掛けてきた彼の第一声は、とても拗ねている。
「…俺が最初におめでとうって言う筈だったのに…」
「だって、それは、不可抗力で…」
「それでも、俺が1番に言いたかったの!」
「もう、瑛飛さん最近…本当に子供みたい」
「水美不足で死にそうなの!」
「そんなこと言ったら、私だって一緒だもん」
ほろ酔いの私もいつになく甘えた口調になってしまう。
それに対して、くす、と笑った彼は、こんなことを言ってきた。
「あのさ。来週末、一度日本に戻るよ。…出迎えてくれる?」
「え!!そんなの、出迎えるに決まってる!何食べたい?!」
「くくっ。そこ?聞くの?そんなの、みな…」
「もう!からかうなら切るよ?」
「うそうそ。帰国した日の食事は外でしよう。もう、リザーブしてあるから。水美の手料理はその後がいい」
「いつまでいられるの?」
「うーん。仕事の進捗状態にもよるけど、バカンスとして2週間は一応休暇を取ってあるよ」
「ほんと?!わぁ…嬉しい!」
これじゃ、私の方が子供だななんて思いながらも、嬉しさを隠すことは出来ない。
だって、この一年は電話越しと…スマホの画面越しの彼でしかなかったから。