【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「もう!私戻ります!」
「はいはい。そんなぷりぷり怒んなよ。美人台無し」
「び、美人なんかじゃないですもん!」
「わー。そんなトコまで自覚ないの?」
「…は?」
「くくく。なんでもないさ。いいよ。行って」
しっしっ。
さっきまでの熱烈なプッシュはなんだったのか…。
そう思わせられる程の、切り替えの早さで会議室から出て行くように指示されて、私は言い様のない気持ちになった。
ぱたん。
静かに、会議室の扉を締めて、私は唸るように声を出した。
「もう!馬鹿にしてんの?!」
ここの所。
そう、最初から弄られてはいたものの、最近特に酷くなった彼の私への対応に…私はいちいち、手が震える程のフラストレーションを溜め込んでいた。
それは、彼にとっては軽いスキンシップの一部なのだろうけど…。
私にとっては、絶大なる破壊力を持った攻撃でしかないのに。
気持ちの天秤は好きと嫌いを極端に跳ねていく。
全く真ん中の平静さを知らないかのように。