【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜

そこまで話すとウエイトレスがサッと手元にアミューズ・ブッシュのお皿を差し出して来た。
本日は鮪のマリネと舞茸のタルトレット。

お酒の大好きな愛未を知っているマスターは、愛未が必ずワインを1杯飲み干すタイミングで、出してくる。
本来ならばアミューズ・ブッシュは、日本でいう所のお通しみたいなものなんだけれど…。

続いて前菜は、聖護院大根とその葉と白子を使ったテリーヌ。


「んーっ!美味しっ!やっぱりマスターの作る料理は絶品だわー」


それに思わず身悶えて舌鼓を打つ愛未。
くるくると動くその表情は、愛嬌たっぷりで同性の私からしても「ぎゅーしたい」ような存在。
だけど…口を開けばこの通りのサバサバ系。


「そうだね。これ、どうやって作るのかな?後で教えてもらおうかなー?」

「真面目か!まぁ…水美が料理上手なのは知ってるけどね?レストランでしか食べられない物ってものを大事にしようよ?」


そんな事を言いながら、カチャカチャと料理を取り分けるフォークとナイフの音が、店内に流れている心地良いジャズに、混ざり込んだ。

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