【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
確かに、こうも毎日絡まれていると、期待しない事もない。
でも…。
「イマイチ、信じられないんだよね…」
私が投げ掛けた問題が相当面倒くさいことだったのか、愛未はそのあと本気で酔っ払ってしまい。
一人で介抱する事が困難になり、途中で榎本くんにヘルプした。
車で出勤していた榎本くんは、直ぐ様愛未の事を連れて帰ってくれ…私も乗せて行くと言われたけれど、それはなんだか気が引けて、丁重にお断りをした。
「あんな風に愛されたいなぁ…」
二人のラブラブな雰囲気に当てられて、私はてくてくと歩きながら独りごちた。
「うーん。私も酔ってんのかな…」
くんっと腕を伸ばして、私は夜空を見上げた。
冬の空には、綺麗な星が幾つも輝いていて、それが都会の喧騒を緩和しているようで、なんとなくホッとする。
明日も、寒いんだろうな…。
そんな事を思って、少し悴み始めた両手を擦り合わせる。
「あーぁ。重いなぁ…」
愛されたい、愛されたいって、願うばかりじゃ駄目だって…。
分かっちゃいるけど、止まらない。
これが私の日常なんです。