【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
泣いて、いたんだ。
一人で、しかも何年ぶりかの雪の中、埋もれてしまうかもしれない事も構わずに。
最初は何ごとかと思った。
だけど、声は掛けられなかった。
その時は急ぎの仕事でクライアントを待たせていたし、何より…名も知らぬ女をナンパする程、不自由はしていなかったから。
だけど、頭から離れてくれない彼女の泣き顔。
どうやっても、忘れられない。
だから、なんとか自力で探してみようかと、あの日彼女がいた場所を宛もなく巡ったりもした。
でも、そんなもんですぐに解決する訳が無い。
なんせ、名前も住所も何もかも知らない、全くの赤の他人なのだから。
そして、1ヶ月後…漸く俺は、運命的な出会いを果たした。