【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
ぱたん、と入り込んだ資料室。
必然的に二人きりになった瞬間。
俺はそれを、逃がさない。
「からかわないでください!」
「からかってないよ。ほんとにそう思ってる」
「?!」
「ばぁか。そんな可愛い顔してると……キス、するぞ?」
「っ!ちょ、あっ…や、だ…っ」
バサバサっと足元に散らばるファイルたち。
それを無視して、俺は彼女に掠めるようなキスをした。
ほんの少しのリップ音。
それだけでも、全身が沸騰しそうなくらい熱を持つ。
「いや、って言ったのに…」
「した後に、だろ?」
「〜〜っ!ほ、補佐は…」
「瑛飛」
「…っ。え、瑛飛さん、は…どうしてこんなに私の事構うんですか?」
真っ直ぐに捕らわれる視線。
密着した体。
「お前が好きだから、だよ」
小動物を狩る野獣になった気分だな。
其の証拠に、彼女は信じられない、と言う顔で俺を凝視している。