【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「ちょ?ま、待って…っえ?なんで…」
「センパイ…ソース口に付いてます」
「あ…え、どこ?」
やっぱり、仕事中の平静さを失うくらい、この名は威力があったか。
「さ、彩良ちゃん?」
「はい?」
「なんで……その……」
「センパイの下に付いてもう半年過ぎてますもん。そんなのお見通しですって」
「そ、そういうもの…?」
「そーです、そーです」
にっこり。
笑い掛けると、少し困ったような顔をされる。
別に責めてるとか、そういう意味で言ってるんじゃないんだけどなぁ?
「大丈夫。誰に言いませんよ」
…皆知ってるけど、ね?
「うーん。好き、なんだと思うんだけどねー…」
いやいや、好きでしょ?
「ちょっと、自信ないというか…あの人…分かんない」
や、あの人程分り易い人いませんよ!
心の中であれこれ突っ込みつつも、私は笑顔を絶やさない。
ああ、なんでこんなに煮え切らないかなー?