【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「センパイ?歴史は変わりますよ?」
「え?」
「歴史なんて、幾らだって塗り替えられるし、未来は自分で好きなように切り開けるんですよ?」
「彩良ちゃん…」
「さ!パスタ丁度良く冷めてきましたね!さっさと食べて戻りましょ」
「うん、そうだね」
そうか。
センパイは、まだ迷ってるんだ。
自ら封印した恋をするっていう機能を、再稼働するかどうか。
だったら、このまま応援するしかないよね?
「戻りましたー」
ランチを済ませて、デスクに戻ると、補佐が意味あり気に私の方を見ている。
なーんで、私まで牽制されなきゃなんないの…。
そう思って、ジロッと睨み返してやった。
それをどう捉えたのか、派手な咳払いをして補佐は自分の仕事に戻っていく。
あー…ジレてジレて仕方がないわ…。
わざとらしく、自分の前に座らせて、監視してる割にその自分の戦略にイマイチ納得できていない様子。
あれで、百戦錬磨とか…マジですかい。
とは思うものの。
女の人のあしらい方はとても上手。
スマートで、相手に絶対に不快感を与える事なくスルーする。
てか、スルーされてるのに気付かない方がどうなの?って話なんだけど。
「彩良ちゃーん、お茶、ハーブティーにしとく?」
「え!なんで分かったんですか?」
「んー…ランチパスタがちょっと重たそうだったから?」
「んもー…センパイのそういう所、滅茶苦茶尊敬です!」
「褒めても何も出ないよぉ?」
ふふふっと笑い合ってると、補佐が大股で私達の傍を過ぎて行った。