【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
確かに、まだまだ詰めないといけない事だらけだ。
かくいう私のパソコンにも、製造部からの返信で指摘された案件をどう詰めるかで止まっている。
「はぁ…終わらないよー…」
「ばぁか。そんなもんまだ数日あるんだ。お前ならなんとかなんだろ。それより、ほら早く帰れ。じゃないと家に帰り着かないぞ?」
声を掛けてきたのは、最近の私の心を何処までも掻き乱す存在。
過激なスキンシップに、上司命令と称した二人の時間。
心地よくないと言えば、それは嘘になる。
でも…。
やっぱり、未だ残る心の痛みが、むくむくと膨れ上がっていく気持ちを制限させた。
嫌いなわけなんかない。
逆に好き過ぎて、こうしている意味が分からない。
それなのに。
「じゃあ、お先失礼します…」
「おぅ。気をつけてな」
ぽんぽん
髪を撫でられる度に、想いを蓋をしてしまおうとするのはどうしてだろう?