【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「……あれ?」
かちゃりと、開発部の部屋の扉を開けると、皆何処かに行ってしまったのか、明かりも付いては居なかった。
「帰っちゃったのかな?」
そう独りごちて、濡れた髪をハンカチで拭いた。
「あーぁ。なんかもう…疲れた」
かちゃん、そうデスクチェアのバネを鳴らして自分の席に座ると、そのままデスクに頬を乗せた。
「んー…あったかーい」
部屋の温度は全フロア自動設定だから、きっとこの雪の中でとても暖かくなっているに違いない。
それか、私の体が冷え過ぎていて、心地良過ぎるのか…。
一瞬だけそれを考えようとして止めた。
今は、この気持ち良さに…包まれていたい…。
そこで、私の意識はフェードアウト。
そして、次に瞳を開いたら…。
思わず悲鳴を上げてしまいそうな、そんなシチュエーションが待っていた。