【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「はじめまして…」
の、挨拶と共に。
サッと顔を合わせて、年齢も見抜けない程の容姿を持った人間に、出食わしたのは人生で初めてだったから、彼からしたら、
「こんな小娘に、俺はなんで初っ端から偉そうにされなきゃなんないんだ?」
くらい、思われてもいいと思うのに。
彼は、そんな事を一ミリたりとも気に掛けていないと言わんばかりに、にこにこと親しく接してくれていた。
現に今も…。
むにむに
「なーんで、そんな顔してんだよ?お前は笑ってる方がいいよ?」
「だーかーらー!もうっ!やめて下さいよ!ほっぺた伸びちゃう!」
「伸びててもお前は可愛いよ」
「っ!そんな訳ないでしょーが!」
にこにこ、にこにこ。
彼の笑顔の意図は計り知れない。
仕事はスマートにこなす。
手際良く、且つ、正確に。
俺様の癖して、時に鬼になりそうな場面であっても、彼は酷く穏和だった。