【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「、、、っ…。」
「お前の口唇は、いつも甘いな」
「…ばか…」
「なんで?お姫様には王子様のキスが必須アイテム、だろ?」
「も、もう…」
抵抗するのも恥ずかしくて、私は睫毛を伏せた。
櫻井さんが見立ててくれた、このイレギュラーシフォンワンピースは、まるで私の体のサイズを知っているのかというくらい、ぴったりフィットしていて、ちっとも苦しくない。
何より、このディープローズカラーは、私の好みドストライクで…。
「いつ?」
「んー?」
「いつ、リサーチしたんです?」
「何が?」
「サイズ!」
「あぁ、…見た目感?」
………。
あぁもー。
こいつったら。
こいつったら。
こいつったらーーーー!
どれだけの数の女の人の間を渡り歩いて来たのか。
こんなにも奇跡的皇帝様が、この世にいるってだけで物凄い事なのに…。
それに加えて色気だだ漏れな恋愛マイスターが、この世の中にいるなんて、未だに信じられない。
それの世渡りが今も続いているのかどうかは…疑わしい所だけれど…。
今、私の腰にちゃっかり手を回している彼は、子供のようにはしゃいでいるようにも見て取れる。