【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「ほら、こっち」
「は、はい!」
ぐるぐる考えてしまっている内に、車へ案内されて、そのままさっきと同じようにエスコートされて乗せられる。
そして、シートベルトをしようとしていると、いきなり背後から首元へしゃらん、と何かが掛けられた。
「え?」
「外すなよ?俺のもんって印なんだから」
「な、ちょ、勝手に!!」
「…待てないんだよ。早く、お前の事をこの腕の中に囲いたい…」
「…っ!」
耳元にそう囁かれて、出会ってから1番なんじゃないかっていうくらいの赤面を曝してしまう。
それを見て彼は実に楽しそうで。
「なーんてな。くくっ。そんな顔すんなって。本気だけど、無理強いは絶対にしないから。どうせ惚れてもらうなら、ぞっこんになって欲しいからな」
「うー…」
「唸るなよ。」
なんか、悔しい。
そう思ってしまうのは、経験値の差から来るのかもしれない。
だから、余計に悔しいんだ。
ーー私の知らない彼を知りたい…ーー
そんな欲望がメラメラと湧き上がって来てしまうから。