【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「…瑛飛さん」
「やっぱり、いいな。そうやって仕事の時も呼んで?」
「…む、むり…ですってば!」
「ふぅん?じゃあ、二人の時は絶対な。破ったらお仕置き」
ちゅ……
不思議だ。
彼のキスは、強請られているのに、離れて行くとまるで自分から強請ったような余韻へと錯覚に陥る。
啄むように、包まれるように、貪るように…。
角度を変えて、与えられるそのキスに、私の細くて短い理性という線はショートしてしまいそうだ。
「…はっ…」
「………悪い。調子に乗ったな」
乱れた呼吸。
快感で、自然と滲む涙。
それなのに、彼は表情一つ取っても余裕たっぷり。
「ばか…」
私は、それしかボキャブラリーがない自分を恨んだ。