【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
素敵だからとか格好がいいからだとか、仕事が出来るからとかハイスペだからとか…。
そういうものを一切抜いたとしても…。
私はこの人の事を好きなんだろう、な…。
認めたくない。
まだ認めたと悟られたくない。
揺れる思考回路は、迷路のようで。
自分の事なのに、気を抜くと迷子になりそうだった。
「瑛飛さん…」
「雪、止まないな…」
「………」
「このまま帰らないでって言ったら?」
「…分かってる癖に」
「狡いな、俺は」
「自覚あるんじゃないですか…」
「それでも、止められない」
まだ、降りしきる雪が、窓の外をふわりふわりと舞っていく。
自分の中でのジレンマ。
愛されたいのに、それ以上に……愛したい。
自分で言うのは憚れるけれど…。
私が狼になったら…貴方は笑いますか?
馬鹿にして茶化しますか?
それとも…。
嬉しいよ、と…抱き締めてくれますか?
貴方へと浮かぶ想いは日に日に重量を増して行って、心臓が壊れてしまいそう。
私の中の何かが破裂しそう…。