【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
「んー!美味しかったぁ!」
「腹いっぱいになったか?」
「なりましたー。もうニシンさん最高でした!」
「なら良かった…。て、雪…結構積もってるな」
お店の外に出ると、そこはふっくらとした雪が綿毛を散らしたように舞っていて、地面を薄っすらと覆っていた。
「……これじゃあ、帰れない……」
「帰らないでくれって言ったろ?」
「…でも」
「帰らないでくれよ…」
雪から守るようにして、きゅうっと抱き締められた。
胸が苦しい。
苦しくて堪らない。
私は、駄目…と言って逃げようとするけれど、それを許さないと言う風に、彼の口唇が迫って来た。
「好きだよ、水美」
「……んん、」
「好き、だ」
これで、彼とキスするのは何回目だろうか?
最初は掠める程度だったキスが、今はとても深い。
心ごと奪われるくらいに…。