【完】溺愛恋愛マイスターにぞっこん?! 〜仔猫なハニーの恋愛奮闘記〜
数時間後。
キラキラとカーテンの隙間から溢れる光に、起こされて瞳を開けると、ジッと俺の顔を見つめていた彼女と目が合う。
「おはよう、水美」
「お、おはよ、う…ございます」
恥ずかしいのか茹でダコみたいに真っ赤になって…。
全然慣れないんだな…。
それが、とても嬉しかった。
「起きれる?」
「え、あ、はい…」
「何か食える?」
「はい、お腹空きました…って、え!瑛飛さんが作るんですか?」
「俺が料理すんのおかしい?」
「や、ほんとに何でも出来るんだなーって」
「大したことじゃないさ。独り身長いからな」
「………」
きっと、今の視線は、今までの女遍歴をいぶかしんでるんだろう。
「この部屋に、入った女は水美だけだよ」
不安を取り除くのには、言葉でしっかり伝えなければ。
俺は、彼女の瞳をちゃんと捕らえてから、そう言った。
「…でも」
「なに?」
「洋服とか…」
「あぁ、それ?それなら昨日の内に揃えた」
「え?!いつの間に?!」
「お前と櫻井が準備してる時」
「え、え、でも…」
「なんか、不満?」
「好み過ぎて…不安」
「くく。なんだ、それ」
いくら何でも俺のスウェットで寝かせる訳にもイカないし。
だからといって、今時彼シャツなんてこんな寒い中させられない。
だから、彼女が櫻井と話をしながら和気あいあいと洋服を選んでいる間に、同じ建物の二階にあるレディース用のスペースで、彼女に似合うであろう日常に必要なもの…パジャマやら一応明日のスーツやら靴やら…それから下着など…を購入した。
メンズ物を主体としている店だから、レディースのカジュアル物なんて、そんなに高いもんでもない。
だから、普通の感覚で買い物をしただけなのに。