碧眼の副社長は愛をささやく
パーティが終わって、髪をほどく、
ドレスだけでは肌寒いので、白のジャケットを羽織る。

鏡の中の自分を見つめる。

さっきから、にやにや顔が止まらない。

おかしくないよう、少し口元を引き締め、化粧を直す。

ドレスがピンクなので、口紅も赤よりピンクよりのにしようか・・・

考えているのは、エリックさんの事、
彼はどちらが好みだろう。

そんな事を考えながら、ピンクよりの口紅をさす。



化粧を終え、周りのスタッフに挨拶をする。

「お疲れ様でした」

「お疲れ様です、これから集まりがありますが、いかがですか?」

「ごめんなさい、この後用事があって」

「あ、デート?」

「え?」

顔が真っ赤になり、素直に反応してしまった自分に驚く。

「あら~」

「すみません」

「いいんですよ、楽しんできてくださいね」

くすくす笑いながら、送り出してくれる。

もう一度、すみませんと言って、会社を後にする、
私って、こんなに分かりやすかったっけ?

自分の変化に驚きつつも、はやる気持ちは抑えられそうになかった。
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