碧眼の副社長は愛をささやく
「副社長をされているのですね」

「父が社長ですから」

「家族経営なのですか?」

「アメリカの店は親戚の叔父が見ているから、親族経営かな?」

「皆、仲がいいんですね」

「ええ、いい人ばかりですよ」


両親から、愛情をいっぱい注がれて、
まっすぐ育って、大人になったんだろうな。

経営者の家庭だからと、ぎすぎすしたり、どろどろした感じがないので、
ほっとする。


「今の環境を残してくれた先祖には、感謝していますが、
 会社を継ぐ事を、ずっと期待されて育って、
 子供の頃から遊び場は職場で、ある意味英才教育でしたけど」

逃げ場はなかったんです、
そう言って、いたずらっぽく微笑む。

そう言いながらも、彼が今の仕事を本当に好きで、
自信と誇りを持っている事が感じられる。

私の勤めている会社に、広告を依頼できるのだ、
それだけで、成功している事が察しられる。
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