碧眼の副社長は愛をささやく

宝石店

何度かデートをした後、エリックの店に行く事に。

「綾乃、ここです」

案内された建物は、白い壁に囲まれ、看板などもなく、
外見だけだと宝石店だとは分からない。
真鍮の取っ手が付いた、大きな木の扉だけがあった。

エリックが、胸に手をあてうやうやしく礼をして、
扉を開けてくれる。

「いらっしゃいませ」

中から女性の声が二人分響いた、
エリックにも負けない丁寧な礼は、それだけできちんと、
教育されている事が分かる。

「ようこそ『グラン　ジュテ』へ」

中に足を踏み入れると、そこは別世界、
３０畳程で、店としては決して広いとはいいがたいが、
木を基調とした店内は重厚感に溢れており、
いかにも高級な雰囲気が漂っている。

そして、その雰囲気を裏切らない宝石の数々。

細かい装飾が施され、煌びやかに輝いている。